開催報告:日・欧の機関投資家と考えるTISFD ― ヒトを中心とする新たな開示基準は企業経営に活かせるか ― を開催しました

2026年7月29日、Kamakura Sustainability Institute(KSI.)は、「日・欧の機関投資家と考えるTISFD ― ヒトを中心とする新たな開示基準は企業経営に活かせるか ―」を開催しました。

本ウェビナーには、事業会社、金融機関、機関投資家、コンサルティング会社、非営利団体、アカデミアなど100名を超える皆さまにご参加頂きました。(事後配信は8月14日まで視聴可能登録はこちらから)

TISFD(Taskforce on Inequality and Social-related Financial Disclosures)のベータ版0.1が公表され、7月31日までパブリックコンサルテーションが実施される中、日本からどのような意見を発信できるかを考える機会として開催しました。

当日は、TISFDステアリングコミッティメンバーである日本生命保険相互会社 常務執行役員の木村武氏より、TISFDの概要や国際的な議論の最新動向をご紹介いただきました。その後、Robeco Senior Engagement Specialistの藤田裕美氏をお迎えし、日本と欧州の機関投資家の視点から、企業価値と社会課題、投資家との対話についてパネルディスカッションを行いました。

パネルディスカッションでは、「人」に関する情報開示を企業価値へどのようにつなげるか、企業が実務としてどのように取り組めるのか、投資家はどのような情報を期待しているのかなどについて活発な議論が交わされました。また、Q&Aセッションでは、サプライチェーンにおける人権への対応や「社会版Scope3」の考え方、企業が直接コントロールできない領域の開示、生活賃金やエンゲージメントのあり方など、実務に即した質問が多く寄せられました。

事後アンケートでは、TISFDの基本的な考え方だけでなく、企業経営や投資家との対話との関係について理解が深まったとの声が寄せられ

  • TISFDとコーポレートガバナンス・コードやSSBJとの関係が整理できた

  • TISFDの全体像から現在の国際的な議論まで理解できた

  • 投資家がTISFDをどのように捉え、企業に何を期待しているのかを知ることができた

  • 生活賃金やサプライチェーンなど、今後重要となるテーマについて理解が深まった

といった感想が寄せられました。

また、今後パイロット企業での実践を通じて具体化されることを期待したいという意見もありました。

KSIでは、ウェビナーでの質疑応答や事後アンケートで寄せられた意見を整理し、TISFDパブリックコンサルテーションへ提出いたしました。


KSIは今後も、企業・投資家・政策関係者・市民社会をつなぐ対話の場を通じて、サステナビリティに関する国際的な議論へ日本から建設的な意見を発信してまいります。

 

イベントの様子:木村 武 氏 日本生命保険相互会社 常務執行役員/PRI(責任投資原則)理事/TISFD Steering Committee メンバー(右上)、藤田 裕美氏 シニアエンゲージメントスペシャリスト、SI Center of Expertise、ロべコ(中央下)、青沼 愛氏 KSI.共同発起人 & 代表理事(左上)